徳舛瓦店 甍技塾 瓦についてのFAQ

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[ Q ] なぜ京都の屋根には鍾馗(しょうき)さんがのっているのですか?
[ A ] 鍾馗像 江戸時代の京の都の話、三条鴨川のほとりの薬屋が新しく店を建て替えた。その大屋根の正面の棟に大きな鬼面の鬼瓦を据えたのである。江戸時代といえば、華美に流れる武家や商家の生活を抑えるために、瓦葺きの屋根を禁じていたのであるが、八代将軍吉宗が享保5年(1720)に禁令を廃止し、逆に瓦葺きと塗壁を奨励したことから、瓦屋根が民家にも徐々に広まっていったころである。しかしながら、やはり当初の瓦は高価なもので、屋根に瓦を葺くのは、武家か苗字帯刀を許された家柄か、豪商の家でないとできないことであった。

 ところで、その薬屋の筋向かいの家の女房が気分が悪いと言い出し、ついには床に伏せた。熱が出てウンウンと唸る女房に、亭主は医者や薬と方々の手を尽くしてみたが一向に治らない。ほとほと困りはてた亭主は、最後の頼みと名高い祈祷師を呼んできて見てもらうことにした。早速女房の病を祈祷した名高い祈祷師は、亭主を外へ連れ出し、原因はあれだと上を見上げて指さした。そこには、いかにも恐ろしい 形相をした巨大な鬼面の鬼瓦が、その亭主の家を睨みつけていたのである。薬屋の主人は、いい格好でもしたくてそのような鬼瓦を造らせたのであろう。

 すぐさま亭主は薬屋へ怒鳴り込んだ。ところが薬屋の主人は「そんなあほなことが、ありますかいな」 と全然相手にしない。
「さっさと、降ろさんかい」
「降ろす必要なんかは、おまへん」
と何時までたっても、らちが明かない。

 見かねた祈祷師が、ついに一策を考えついた。祈祷師が言うには、向こうが鬼瓦を降ろさないというのなら、こちらの家の玄関の上に、鬼よりも強いと言われる鍾馗像を乗せてみては、と言うことであった。亭主は、早々に伏見の瓦屋で、長靴を履き、黒冠を頭にかぶり、右手に両刃の剣を持った、巨眼のいかめしい鍾馗像を造らせた。それを薬屋の鬼瓦に向けて屋根の上に乗せたところ、見事に女房の病気は治ったということである。

 鍾馗は、玄宗皇帝(685〜762)の夢に出てきて、鬼を退治したという言い伝えから、鬼より強い鍾馗さんとして鬼退治に登場したのである。

 京都の町並みの中を歩くと、方々の家の玄関のひさしの上に鍾馗像が上がっている。魔よけ・厄払いや、家を守ったり、外敵を寄せつけなくするなどの願いを込めてのことである。



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